臆病    詞・曲 藤田一道 片付かないデスクを寝床にして 血の流れが悪い姿勢のまま 錆びていく 言えない不満を袋にまとめる 今月の燃えないゴミの日って いつだっけ 揃いも揃って 皆自分勝手 こっちの都合は聞こえない様相 窮状にあって 見えない明後日 手に負えないから 何かを探すふりをして その場で動けない若輩者 割れた爪を剥がして ざらつく壁を 撫で回している 踏み場もない部屋に帰る以外に 限られた時間の使い途は なにがある? 待ち人を待って 頼んだカフェラテ 砂糖入りの泥水と同様 散らばる小切手 雨も相俟って やる気もないけど 彼らの手を逃れるため あくまで押し黙る臆病者 靴の先を濡らして 走る感動も味が抜けている 何かを探すふりをして その場で動けない若輩者 割れた爪を剥がして ざらつく壁を 撫で回している